お墓の文字は「ありがとう」にしてほしいと言った、生前の主人

自分の余命を知った主人が、私に伝えた言葉

墓石の文字は、「ありがとう」にしてほしい

自分の命が、あと一か月もないと知った主人が、私に伝えた言葉・・・。


それは・・・


自分が入るお墓の文字は「ありがとう」にしてほしいということでした。 


自分の死を受け入れて、私に言った言葉・・・。


そんなことを、突然に言われて、その時は、何と答えを返せばいいのかわからなかった私。

主人が真剣に考えての言葉ということは察っしてはいたのだけれど、私は笑いながら軽く答えてしまいました。

「お墓を作る時には、必ずそうするね。」

まだその時点では、私自身が近づく主人との永遠の別れを、きちんと受け入れていない時期だったからなのかもしれません。

あと数日という余命を告げられても、もしかしたら奇跡が起きるかもしれないと、心のどこかで思っていたから・・・。

そんな時期だったから、主人が死んでからのことを考えることは、私のほうが怖かったのです。


自分が死んでからのことを考える主人の気持ちを想像するだけで、胸が苦しくなるくらい、つらかったあの頃。


どんな気持ちで、そんなこと考えていたんだろう。主人は、私達に涙を一度も見せることもなく、最期まで冷静で強い人でした。

自分のお墓の文字は「ありがとう」にしたいだなんて・・・主人らしい。


お墓のデザインや、どんな石を使うかは、すべて私に任すけれど、墓石には必ず「ありがとう」と入れてほしいということでした・・・。


主人の生涯は、言葉で表すなら、「笑顔と感謝と思いやり」がモットーの生き方でした。

私にも、感謝する気持ちや感謝する姿勢の大切さを教えてくれた主人・・・。

こちらのほうが、ありがとうだよ・・・・。

「ありがとう」に込めた主人の思い

そして、主人は、どうして「ありがとう」にしたいのか、話してくれました・・・。


「死んだ自分のお墓参りに来てくれた人に、ありがとうと伝えたいから・・・。」と、話してくれました。


墓石に書いておけば、「ありがとう」って伝わるからと・・・。


どこまで感謝の人なんだ💦💦
本当に、最後まで感謝の精神を貫いた人生でした・・・。

お墓を作ることで、出逢えた御縁に感謝

そして、主人が亡くなった後、家族みんなで「ありがとう」の綺麗な字体を選び、お墓を作っていただきました。

生前から、主人が関わる方々は、本当に良い方ばかりで、主人は支えて下さる人達に本当に恵まれていました。


そして、やはり・・・。


お墓作りをお願いした方も、人柄の良い、丁寧で思いやりのある温かい方でした。主人のお兄さんが、紹介して下さったMさん。
お墓以外のお話もたくさんして下さったり、ひとりになった私のことを気遣って下さったりと、気持ちの優しい方でした。


私にとっては、初めてのお墓作りで、何を基準に何をどう選べばいいのか全くわからず、Mさんの提案して下さるお墓にしようと思いました。

もちろん、主人の希望の「ありがとう」の文字を入れたいことは伝えました!

数日たって・・・。


Mさんが、考えて下さったお墓の図面を持って来て下さいました。

こじんまりとした、可愛いお墓!! 曲線を意識した優しさを感じるデザインでした。そして、お掃除のしやすそうなお墓!!


私たち家族は、迷うこともなく、その提案のまま作っていただくことにしました。


その時も思ったこと・・・。

ご縁を大切にしたい・・・。主人が亡くなったことで、Mさんと出逢えたご縁を大切にしよう。

お墓の完成!

主人のお墓は、家から歩いて3分くらいの近くにあります。だから、思いついたら、すぐ行けます💖
周りに建物がないので、空を見渡すことができて、陽当りのいい明るく気持ちのいい場所です。


墓石の側面には、お墓を建てた人の名前が彫られています・・・。


主人と私の名前が並んで彫られています。
主人は亡くなったから白い文字で、私の名前は生きているから黒い文字で。


私も魂の存在に戻って、早く白い文字になりたい・・・なんて思います。

でも、まだこの世で、やらなければならない大切なことが残されているので、そういう訳にもいかない💦


いつか私も死んで、このふたりの名前の文字が白くなる。


そして・・・


私が知らない、私のことを知らない子孫たちが、お参りしてくれるのかな・・・・💕


「ありがとう」の思いが、この先も受け継がれていく・・・

そんなことを想像すると・・・

やはり、「ありがとう」という言葉を選んでくれた主人の思いやりや優しさを感じます。


今も、2歳の孫がお墓に行くと、目を瞑って小さな手を合わせて、墓石にむかって「あん!!」って言いながら拝んでくれます。

じっちゃんも、「ありがとう」って言っているよ!!


これから、何十年先にも繋がっていく命に、この感謝の思いが伝わりますように・・・。



そして・・・。


この生かされている限られた私の「命の時間」をありがたく思い、今を精一杯生きようと思います。




アロマ
カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ


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