私も猫を飼っています。
私にとって、猫は家族の一員であり、そばに居てくれるだけで、私の心を癒し温かい気持ちにしてくれる大切な存在です。
ありがたいことに、ウチの猫はカーテンに上がったりカーテンを傷つけたりすることはないのですが、インテリアの仕事をしていると、「猫がカーテンをひっかいて困っています。」と言うお声を聞きます。
なぜ、猫はカーテンをひっかいたり、カーテンレールに登ったりするのでしょう?
そのような悩みは、どう解決すればいいのでしょうか?
ここでは、そんな悩みについて考え、猫と住人が快適に共存できる具体策について解説します。
Contents
猫がカーテンに上ったり引っかいたりする理由
カーテンに上がる猫の行動理解
猫は、カーテンを引っかきながら上まで登ったり、カーテンレールの上を歩いたりする場合があります。
その結果、カーテンはボロボロになったり、カーテンレールが曲がったり、カーテンレールがはずれてしまったりなど、さまざまな悪影響が出てきます。
そんな状況への対処を考える前に、猫の行動について理解することが大切です。
室内の高い場所が落ち着く猫の本能
猫は、もともと木登りが得意な動物で、本能的に高いところが好きです。
高いところに上がり、敵から身を守ったり獲物を見つけたりする潜在的本能が、ペットとして飼う現在の猫にも受け継がれています。
また、高い場所は、周りを見渡すことができることで、安心感を得られるようです。
室温の高い高所を好む
冬場、部屋を暖房した時、暖かい空気は上に行きます。
猫は、本能的に温度を察知して、暖かい場所を求め家具の上に移動したりします。
その際、カーテンを登る手段にしたりカーテンレールの上を歩いて移動したりします。
陽当りの良い窓辺を好む
猫は、陽当りの良い窓辺を好みます。
少しでも陽が当たるように、カーテンをめくってガラス越しで過ごすことが多いです。
その際に、カーテンを汚したり傷めたりする場合があります。
爪とぎをする習性
猫には、「爪とぎ」をする習性があります。
カーテン生地の素材によっては、猫が爪をひっかけて爪とぎをすることもあります。
爪が伸びていると、フローリングの上を歩く際、すべって歩きにくくなったり、カーペットの上では、繊維をひっかけたりします。
爪を切ってあげることも、大切なことです。
「かまってほしい」「遊びたい」という表現方法
一日中寝ているのが、猫のイメージですが、猫は遊ぶことも大好きです。
特に、動くものに興味を示し、長いひもを揺らしたり、ふわふわしたおもちゃで遊んであげると喜んでいるのがわかります。
もしかしたら、風に揺れるカーテンもおもしろくて、カーテンと遊んでいるつもりなのかもしれません。
ストレス解消の行動
猫も、室内だけにいると運動不足になり、ストレスが溜まります。
ストレス発散のために、急に部屋を走り回ったり、高いところまで登ってみたりすることがあります。
猫がカーテンに上がらないための環境作り
基本的な猫の行動や習性を理解した上で、猫がカーテンに上がらないようにするための対策を考えることが大切です。
猫によって、性格や好みなども違うので、一概には解決策にはならないかもしれませんが、猫の気持ちを十分に理解してあげて、適切な対策をとりましょう。
キャットタワーや爪とぎの設置
猫が、カーテンに上がらないために、部屋にキャットタワーや爪とぎを設置することは有効的手段です。
ネット通販でもインテリア性のあるキャットタワーや爪とぎが販売されているのでおすすめします。
⇩キャットタワー
⇩爪とぎ
カーテンを守るための具体的な3つの方法
対策1:カーテンの裾をたくし上げる
カーテンの裾をたくし上げて、猫が届かないようにしておく方法です。
窓辺によく行く猫には有効的で、猫にとってもカーテンが邪魔にならず外を見たりすることができます。
ワイヤーのひもの両端にマグネットが付いた「スタイルマグネット」がおすすめです。
⇩便利なスタイルマグネット
対策2:カーテンを高い位置で束ねる
カーテンを開けておく時は、猫が届かない高い位置でカーテンを束ねておくと、被害も少なくなります。
カーテンホルダーを高い位置に付けたり、マグネットタッセルなどを利用して、猫が届かないよう工夫しましょう。
⇩カーテンホルダー
⇩ワイヤータッセル
対策3:カーテンに猫の苦手な香りをスプレーする
猫が嫌がる香りを、カーテンにスプレーする手もあります。
しかし、この方法は、猫によっては効果のない場合もあります。
⇩ひっかっき防止スプレー
猫に優しいカーテンの選び方
猫との共生に適したカーテンとは
上がりにくいツルツルした素材のカーテン
猫の爪が引っかかりにくい素材のカーテンは、上りにくくおすすめです。
カーテン生地の表面が、ツルツルしているものが効果的です。
ツルツルした生地は、比較的遮光生地によくあります。
中には、裏面もツルツルとしたコーティング加工されたものもあります。
⇩裏コーティング加工の遮光カーテン
ひっかきに強い素材のカーテン
ひっかきに強い素材のカーテンとして、ペットの爪がひっかっかかりにくいよう、密度が高く織り込まれた繊維も開発され発売されています。
⇩ひっかきに強いレースカーテン
そして、最近はペットを飼う家庭が多くなり、大手カーテンメーカーからも、引っかきに強いカーテンが発売されています。
⇩サンゲツの引っかきに強いドレープ
目の詰まったレースカーテン
織りの粗いレースは、猫の爪がひっかかりやすく、カーテンを傷めやすくなります。
カーテン選びをする際は、なるべく目の詰まったしっかりとした生地のレースカーテンを選びましょう。
ツルツルした素材や、目の詰まったカーテン生地は、猫の抜け毛も付きにくく、ホコリもたまりにくいので、衛生的です。
《目の粗いレース》
《目の詰まったレース》
出典: 川島織物セルコンitto
防汚・防臭機能のあるカーテン
防汚・防臭機能のあるカーテンは、汚れが付きにくく、臭いも付きにくいので、ペットのいる家庭にはおすすめです。
⇩防汚・防臭機能のあるカーテン
カーテンレールへの安全対策
カーテンレールの上に上がる習性のある猫がいる場合には、猫の落下防止と安全性を考えなければなりません。
カーテンレールが落ちたりしないように、カーテンレールについても猫への対策を考えましょう。
カーテンボックスタイプのレールにする
猫が、カーテンレールの上に上がっても歩きやすいように、上部にレールカバーのあるようなレールを選ぶと安心です。
しかし、これらは猫対策用に作られているレールではありませんので、体重の重い猫は注意しましょう。
⇩カバートップ付きのレール
または、カーテンボックスタイプのレールもおすすめです。
可能ならば、天井から取付けすることをおすすめします。
⇩ボックスタイプのレール
レールをしっかりと取付けする
度々、猫がレールの上がっていると、レールを止めている壁面のビスがゆるんできたり、レールを受けているブラケットが折れたりして、レールがはずれてしまったりすることもあります。
これは、人にとっても猫にとっても危険なことですので、日頃から注意しておきましょう。
レールが落下しないようにするには、カーテンレールをしっかりと壁や窓枠に設置することです。
下地のないところにビス止めしていないか注意しましょう。
⇩壁面に下地があるか探す時に便利!
猫対策に効果的な窓周りアイテム
高い所が好きな猫の習性や、窓辺を好む猫の習性を理解し、窓の周辺に猫が好みそうなアイテムを設置することも、カーテンやカーテンレールを傷める猫対策になります。
キャットウォーク・キャットステップの設置
高い所に、猫が快適に登れて過ごすことのできる場所を、室内に作ってあげましょう。
カーテンレールに上がらない対策として、キャットウォークやキャットステップを設置することも効果的です。
キャットウォークは、大掛かりな建築作業になりますが、市販されているキャットステップなら、気軽に設置することができます。
壁面に設置の際は、必ず下地があるか確認してからビス止めしましょう。
⇩キャットステップ
キャットタワーの設置
壁面にキャットステップを設置することが難しい場合は、キャットタワーの設置をおすすめします。
置きタイプのものや、天井で突っ張るタイプのものがあるので、ビス止めする必要もありません。
⇩キャットタワー
カーテンの代替品としてのおすすめの窓装飾アイテム
カーテンやカーテンレールに上がる猫対策として、カーテン以外の他の窓装飾アイテムをカーテンの代替品として利用することもできます。
ロールスクリーンの利用
⇩ロールスクリーン
出典:タチカワブラインド ラルクシールド
ロールスクリーンは、上下に昇降し、全部巻き上げることもできるし、好きなところで止めることもできます。
表面がフラットなので、猫が上がることもありません。
ほとんどの生地がポリエステルですが、中にはラミネート加工された表面がつるっとしたロールスクリーンもあり、猫が引っ掻く心配もありません。
⇩水拭きもできるラミネート加工のロールスクリーン
ウッドブラインドの利用
⇩ウッドブラインド
出典:タチカワブラインド フォレティア
ウッドブラインドを、窓枠内に取付ける方法も、猫対策としておすすめです。
窓枠内に取付けることで、上部に猫が上がることもできません。
ウッドブラインドのスラット(羽根)は、アルミブラインドと比べると厚みもありしっかりとしているので、折れたりすることもありません。
上下に昇降できて、好きな高さでとめることもできるので、猫が窓から外を見えるようにすることも可能です。
愛猫とカーテンの共存を実現するためのポイント
もし、愛猫が部屋のカーテンを引っ搔いたり、登ったりする場合には、なぜそのような行動をとるのか、猫の行動を理解することが大切なポイントとなります。
爪は伸びていないか。
登っても構わない高い場所はあるか。
運動不足ではないか。
ストレスは溜まっていないか。
窓から外を見ることができているか。
これらのポイントを解決しながら、カーテンに上がらないように、私たち人が、猫対策をすることが重要となります。
まとめ
ペットである猫は、大切な存在で家族の一員です。
毎日過ごす部屋が、猫にとっても、人にとっても快適で心地よい空間であるよう、猫の習性や猫の気持ちを考えながら、工夫をして生活することが、共存を実現するためのポイントです。
お気に入りのカーテンを守るためにも、カーテンの猫対策を心がけてみましょう。