カーテンは、心地よい部屋作りのための重要なインテリアの要素です。
初めて、オーダーカーテンを購入する時、どのように選べばいいのか、どのように注文すればいいのか戸惑う人も多いと思います。
聞き慣れない専門用語が出てきたり、カーテンのサイズはどこを測ってオーダーすればいいのかなど、「自分でオーダーカーテンを注文するのは難しい。」という声をよく聞きます。
ここでは、そんな不安や疑問にお答えする「オーダーカーテンの買い方」について解説していきます。
インテリアの仕事に携わって、20数年。
インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター・窓装飾プランナーの資格を取得。インテリアの中でも、カーテン提案を最も得意とする。
Contents
カーテン購入の基本的手順
出典:sangetsuAC
オーダーカーテンを購入するまでには、基本的な手順があります。
いきなり、カーテンを選ぶのではなく、前もって確認することや、準備しておくことがあります。
① レールの種類を確認する。
② サイズを測る。
③ カーテンにどんな機能が必要か考える。
④ 生地を選ぶ。
⑤ 注文する。
上記の基本的手順に従うと、スムーズで失敗のないオーダーカーテンを注文することができます。
カーテンレールの種類と合わせ方
カーテンレールには種類があり、その種類によって採寸方法が変わったり、カーテン注文時のフックの指定も変わってきます。
まずは、カーテンを注文する窓についているレールがどのようなレールか確認しておくことが大切です。
出典:TOSOカーテンレール
カーテンレールには2タイプある
カーテンを注文しようとする窓には、どのようなレールが付いているか?
カーテンレールは、大きく分けると2タイプに分かれます。
レールにデザイン性のある「装飾レール」と、機能を追求した「機能性レール」に分かれます。
装飾レールか、機能性レールかによって、サイズの測り方や、カーテンのフックの指定も違ってきますので、しっかりと確認しましょう。
①装飾レールとは?
「装飾レール」とは、デザイン性や見た目の美しさを重視したカーテンレールです。
カーテンを開けても閉めても、常にカーテンレールが見えるデザインで、少し大きめの輪っかの「リングランナータイプ」の装飾レールものが多いです。
しかし、シンプルなインテリアが人気の今、「リングランナータイプ」ではなく、「ランナータイプ」の装飾レールも人気となってきています。
《装飾レール》
★リングランナータイプ★
★ランナータイプ★
出典:TOSOカーテンレール
装飾レールの場合、カーテンの上面の位置は、レールより下になります。
出典:TOSOカーテンレール
②機能性レール
出典:TOSOカーテンレール
「機能性レール」とは、機能性を重視したカーテンレールのことです。
前後に同じタイプのレールが、平行で同じ長さで配されています。
一般的には、機能性レールの場合、カーテンの上面の位置はカーテンレールを隠すようにします。
出典:TOSOカーテンレール
しかし、最近は、機能性レールでも木目調のカラーバリエーションが大変多くなったり、ブラック色やメタル調などもあり、デザイン性も高くなってきています。
その場合、機能性レールでも、あえてレールを見せるためにカーテンの上面の位置をカーテンレールより下にする場合もあります。
カーテンの採寸方法
採寸のために準備するもの
★ スケール
★ 脚立
★ メモをするもの
購入時に見せると注文がスムーズです👍
①装飾レールの場合の採寸方法
幅の測り方
キャップの付け根からキャップの付け根までを測ります。
カーテン通販専門店INN’S本店ホームページより
丈の測り方
リングランナー下面から測ります。
カーテン通販専門店INN’S本店ホームページより
②機能性レールの場合の採寸方法
幅の測り方
両端の固定ランナーの穴から穴までを測ります。
カーテン通販専門店INN’S本店ホームページより
丈の測り方
カーテンランナーの下面から測ります。
カーテン通販専門店INN’S本店ホームページより
窓による丈の決め方
腰窓の測り方
腰窓とは、床から約90~120cmの高さにある窓のことです。
腰窓の場合のカーテンの丈は、窓枠の下から15cm~20cm長くします。
窓下にもっと垂らしたい時や、窓下に家具やカウンターなどある場合は、15~20cmにはこだわらないで下さい。
カーテン通販専門店INN’S本店ホームページより
掃き出し窓の測り方
掃き出し窓とは、人が出入りできる窓で、床からある高さのある窓のことです。
また、ベランダや庭につながる窓としても用いられます。
掃き出し窓の場合は、床から1㎝上がりにします。
カーテン通販専門店INN’S本店ホームページより
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カーテンの生地とデザインの選び方や注意点
安さで選ぶ場合の選び方と注意点
カーテンの価格は、安いものから高いものまで、値段が大幅に違います。
既製品とオーダーカーテンでは、価格が全く違いますし、オーダーカーテンの中で比較しても、生地や縫製の仕方やスタイルによって価格は大幅に変わります。
ここでは、安さを重視して選ぶ場合について解説します。
安価な既製品カーテンを利用する
サイズが既製品で合うようなら、既製品カーテンもおすすめです。
ネット通販などでは、多サイズに対応した既製品カーテンも安価で紹介されています。
機能付きのカーテンや形状記憶加工のカーテンもあり、カラー・デザインなど豊富な品揃えの中から選ぶことができます。
安価な既製品カーテンを選ぶ際の注意点
サイズが合ったとしても、安さのみで購入を決定しないようにしましょう。
・生地の透過度はどうか。(室内からの透け感や、室外からの見え具合)
・遮光性は必要か必要でないか。
・色・柄は飽きることはなさそうか。
安いからと言って妥協せず、長く使えそうなカーテンを選ぶことが大切です。
デザイン性で選ぶ場合の選び方と注意点
デザイン性のあるカーテンは慎重に選ぶ
ここで言う「デザイン性のある」とは、カーテンの色や柄や素材などが単調ではないという意味です。
デザイン性のあるカーテンを選ぶ場合、その部屋のトータルコーディネートを考えることが重要です。
そのカーテンのデザインは、部屋のインテリアテイストに合っているか、カラーコーディネートはできているかなどイメージしてみます。
カーテンに大胆なデザイン性がある場合は、部屋全体のバランスを考えて、慎重に選びましょう。
出典:sangetsuAC
デザイン性のあるカーテンを選ぶ際の注意点
大胆な柄のカーテンは、部屋の主役になります。
家具やカーペットなどは、控えめのデザインや色であることをおすすめします。
また、はっきりした色や濃い色のカーテンも、インテリアのアクセントになりますので、家具やカーペットなどとの色の組み合わせを考えながら、コーディネートしましょう。
機能性を重視して選ぶ場合
カーテンには、さまざまな機能が付いたものがあり、機能性を重視してカーテンを選ぶということは、快適な毎日を送ることにも繋がります。
ここでは、カーテンのさまざまな機能について解説します。
遮光機能のあるカーテン
遮光性のあるカーテンは、光を遮ってくれる機能があるので、寝室や陽射しのきつい窓におすすめです。
遮光レベルも1級から3級まで等級があるので、注意しましょう。
遮光1級レベルになると、ほとんど光を通さないので、朝になっても部屋は暗いままです。
遮熱機能のあるカーテン
遮熱機能のあるカーテンは、外からの熱を遮ります。
夏は窓周りの温度があがりにくく、冬は外からの冷気を遮ってくれます。
遮熱機能はレースカーテンだけではなく、最近はドレープカーテンにも機能が付いたものがあります。
ミラー機能のあるカーテン
ミラー機能とは、生地の裏面に光沢のあるブライト糸を使用することによって太陽光を反射する仕組みで、外から室内が見えにくくなります。
外からの視線を遮って、室内からは景色を楽しめます。
中には、室内からも外が見えにくいレースカーテンもありますので、透け感には注意して選びましょう。
昼間、外の景色も見えないと圧迫感を感じる場合もあります。
そして、夜、室内が明るくなると、外からは見えます。
UVカット機能のあるカーテン
UVカット機能とは、紫外線をカットして、日焼けや家具・床などの色褪せ・劣化を防ぐ働きがあります。
UVカットカーテンには、紫外線カット率を示す「JIS L 1902」という基準があり、紫外線カット率が「90%以上」「80~90%未満」「70~80%未満」の3つのレベルに分類されます。
紫外線対策には、紫外線カット率の高いカーテンをおすすめします。
防音機能のあるカーテン
防音機能とは、室外の騒音や室内の音漏れを防ぐ、音を遮る機能を備えたカーテンです。
防音には、「遮音」と「吸音」の2種類の音の遮り方があります。
遮音カーテンは、裏面がコーティング加工してあるものが多く、生地が固めで、カーテンの重量も重たいです。
吸音カーテンは、ウールやフェルトなどの吸音材を混ぜ込むことで、音を吸収する効果を高め、厚みのある生地が多いです。
防音カーテンは、一般的なカーテンに比べ、重量がありますので、カーテンレールはしっかりと取付けしてあり、重さに耐えれるかもみておきましょう。
防炎機能のあるカーテン
防炎機能とは、燃えにくく延焼を防ぐ機能を備えたカーテンです。
万が一、火災が起きた場合でも、火の広がりを抑えることができ、被害を抑えることも可能です。
消防法により、公共施設や高層ビルなどには防炎機能のあるカーテンの使用が義務付けられてます。
また、一般家庭でも、火を使うところの近くにあるカーテンにもおすすめします。
ウォッシャブル機能のあるカーテン
ウォッシャブル機能があると、家庭で手洗いや洗濯機で洗うことができます。
主なカーテン生地はポリエステルなのでウォッシャブル機能があるものが多いのですが、素材によっては家庭で洗えないものもあるので注意をして選びましょう。
麻や綿など自然素材のものは、非ウォッシャブルが多いです。
汚れやすいレースカーテンは、できればウォッシャブル機能のあるカーテンをおすすめします。
サンプルを確認する
ネット通販やカタログで、カーテンを選ぶ場合、商品が届いてみると、イメージしていたものと違ったということを、よく聞きます。
画像や写真だけ選ぶことは、プロのインテリアコーディネーターでも難しいことです。
可能ならば、実際の生地を見て、実際の色の確認や透け感の確認、素材感などを触って確認することをおすすめします。
ネット通販のカーテンショップには、カーテンの生地サンプルを無料で送付してくれる親切なお店もあるので、利用してみましょう。
カーテンのスタイルの決定
毎日の快適で心地よい生活のためには、カーテンのスタイルを考えることも重要なことです。
カーテンは、両側に開くのが一般的なスタイルですが、他にも片開きや上げ下げできるスタイルなどさまざまです。
どのような開閉の仕方が生活に便利か、選んだカーテンはどのようなスタイルが合うかなど考えてみましょう。
ここでは、カーテンのスタイルについて解説します。
1.5倍ヒダと2倍ヒダのカーテンの選び方
一般的にカーテンの縫製スタイルには、1.5倍ヒダと2倍ヒダがあります。
それぞれ特徴があるので、理解した上でどちらのヒダ倍率にするか選びましょう。
1.5倍ヒダのカーテン
2倍ヒダのカーテン
出典:sangetsu ホームページ
《1.5倍ヒダのカーテンの特徴》
1.5倍ヒダのカーテンとは、仕上がり幅の約1.5倍の生地を使用して、2ツ山でヒダをつまむカーテンのことです。
2倍ヒダのカーテンと比較すると、ヒダ山の間隔が広くウェーブが浅いのが特徴です。
カジュアルでシンプルなイメージのインテイリアや、カーテンの柄を見せたい場合におすすめです。
また、価格を安く抑えるには、1.5倍ヒダのカーテンをおすすめします。
《2倍ヒダのカーテンの特徴》
2倍ヒダのカーテンとは、仕上がり幅の約2倍の生地を使用して、3ツ山でヒダをつまむカーテンのことです。
1.5倍ヒダのカーテンと比較すると、ヒダ山の間隔が狭くウェーブが深いのが特徴です。
ボリューム感がでて、豪華さを感じます。
無地のカーテンや、ゴージャス感を求める場合におすすめです。
ウェーブが深いため、1.5倍ヒダのカーテンに比べ、保温性も上がり、レースの場合は外から見えにくくなります。
上下昇降のシェードスタイル
⇩プレーンシェード
出典:sangetsuAC
カーテンは、横開きが一般的ですが、カーテン生地で上下に昇降するシェードスタイルもあります。
下まで降ろすと、一枚のフラットな表情で、下から折りたたむように上がっていきます。
横開きのカーテンのようにウェーブがないので、すっきりとした印象です。
昇降操作も右側か左側のどちらかの位置で操作することができるので、横開きのカーテンの開け閉めは不便な場合や、窓下に家具やカウンターなどがある場合にもおすすめです。
カーテンフックの種類と選び方
カーテンを注文する時、フックの指定が必要になります。
フックの種類には2タイプあり、どちらのタイプか知っておくことが大切です。
Aフック
Bフック
出典:WARDROBEsangetsu
カーテンを吊った時に、カーテンが綺麗に見えるように、フックの指定は間違えないよう注意しましょう。
Aフック
Bフック
出典:カーテン通販専門店インズ本店
《Aフックの場合》
Aフックは、どのようなデザインのレールにも対応できます。
カーテンを吊った時に、レールが見えるので、装飾レールの場合はAフックを選びます。
また、カーテンボックスの場合も、Aフックです。
《Bフックの場合》
機能性レールを隠したい時にはBフックを選びます。
一般的に、Bフックはフック上部から4cm立ち上がっているので、光漏れの軽減にもなります。
オーダーカーテンと既製カーテンの違い
オーダーカーテンと既製カーテンとは、大きな違いがあります。
どちらのカーテンを選ぶかは、予算や好み、用途などによって異なってきます。
オーダーカーテンとは
オーダーカーテンとは、1cm単位でサイズ指定のできる窓にぴったりのカーテンです。
オーダーがあってから、生地を裁断し縫製するので、スタイルを選んだり、細かな指定も可能です。
カーテンの種類も豊富で、好みの柄・色や素材感など選択肢が多いです。
また、機能付きのカーテンの種類も豊富です。
既製カーテンと比較すると、縫製も丁寧で綺麗です。
注文をしてから出来上がりまで、約2~3週間かかります。
既製カーテンとは
既製カーテンとは、あらかじめ決まったサイズで作られているカーテンです。
一般的な窓に合うサイズで作られています。
横幅は、100・150・200cmが主流です。
丈は、110・135・178・200・220cmが主流です。
すぐに欲しい場合や、価格を抑えたい場合におすすめです。
選択肢が限られていたり、好みのデザインがなかったりする場合もあります。
中には、海外で安く作られたものもあります。
カーテン購入時の注意点
実店舗でカーテンを購入する場合
お店の人のアドバイスを求める
実店舗でカーテンを購入する場合、お店の人のアドバイスを受けることをおすすめします。
資格を持った人や実務経験の長い人のアドバイスは、大変役立ちます。
可能ならば、採寸をしてもらい、部屋の様子などを、あらかじめ見に来てもらうといいでしょう。
プロの目線から、どんなカーテンが合うか、どんな機能が必要かなどアドバイスしてくれます。
その場合、決まった予算があるようなら、きちんと伝えることも大切です。
サンプルを部屋で合わせてみる
カーテンのサンプルを貸し出ししてくれるお店なら、ぜひサービスを利用しましょう。
お店の照明のもとで見るカーテンの色と、自然光で見る色は違うし、遮光度や透過度などの確認も、実際の部屋で確認しておくと安心です。
ネット通販でカーテンを購入する場合
サイズを間違えないようにする
カーテンの注文で、一番多い失敗が、サイズを間違えることです。
測る時点で間違っていたり、注文する時点で間違ったり、縦と横を間違ったり、くれぐれも注意しましょう。
生地サンプルを見てから購入する
ネット通販の場合、画像でカーテンの素材感や透け感などをイメージするのは難しいことです。
可能ならば、生地サンプルを取り寄せて、確認することをおすすめします。
気になることは質問する
わからないことや、不安なことなど気になることがあれば、必ずショップに連絡して聞いてみることをおすすめします。
ネット通販のお店はたくさんありますが、中にはインテイリアコーディネーターさんがアドバイスしてくれるショップもあります。
まとめ
窓の種類やレールの種類などさまざまな中で、その窓に適したカーテンを選ぶことは難しいことです。
失敗や後悔をしないカーテン選びをするためには、カーテンについてのある程度の知識が必要です。
安さだけや、機能性だけを追い求めるのではなき、一番大切な事は、毎日快適に心地よく過ごせる空間を作ることです。
心地よい空間作りに、カーテン選びは重要な作業で、重要な役割があります。
後悔のないカーテンを選ぶことができるよう、この記事が役立ちますように。